障がい者介護の内容
「介護職=高齢者のお世話」をイメージする人も多いかもしれませんが、介護は高齢者だけでなく障がい者も対象です。高齢者と障がい者ではどのような違いがあるのかを詳しく見ていきましょう。
障がい者施設の種類と仕事内容
高齢者の介護施設同様、障がい者の施設も「知的種がい施設」「精神障害施設」と多岐に渡っていますが、比較的重度心身障がい施設が多いの特徴です。これは重度心身障がい施設とは重度の身体障がいや知的障がいの方を対象とした施設のことです。
仕事内容も排泄や食事、入浴の介助など基本的な介助を行いますが、高齢者の介護施設と大きく違うのは入所している人の年齢です。10代~60歳以下の若い人が多く入所しているため、自分より年下の人を介護することも珍しいことではありません。高齢者と同じように接しても返ってくる反応は全然違うため、接し方を工夫する必要があります。
また、障がい者施設ではレクリエーションや外出に力を入れており、高齢者施設では2ヶ月に1回ペースの外出も障がい者施設では1ヶ月に1回以上と非常に多くなっています。そのため、身の回りのお世話だけでなくレクリエーションや外出の企画や実施も重要な仕事のひとつです。
障がい者施設では学ぶことが多い
障がい者施設では身の回りのお世話をする基本的な介護技術だけでなく、高齢者施設ではあまり見られないような脳性麻痺や四肢欠損といった疾患を持った方も多く、その対応の仕方や注意すべきことも理解しておかなければなりません。また、若いからこその介護の仕方もあり、障がい者施設では高齢者施設では学べないようなさまざまなことを学ぶことができます。
さらに、ご家族に対する対応も高齢者施設とは全く異なります。高齢者施設ではご家族の大半は高齢者の子どもや孫、兄弟などですが、障がい者施設の場合は親が大半のため、子どもを見守る親の気持ちを考えながら対応しなければなりません。また、家庭で一緒に過ごしたいと月に何度か自宅に連れて帰るご家族もいます。そのため、在宅復帰の見極めや在宅での対処方法なども考える必要があります。
障がい者施設で働くために
障がい者施設は無資格でも求人を募集しているため資格がなくても働くことができますが、身の回りのお世話をするためには介護職員初任者研修以上の資格が必須です。また、外出にも力を入れているため、介護の資格がなくても運転免許は必要という施設も少なくありません。障がい者施設には比較的若い利用者が多いということもあり、保育士の資格や教員免許が求められる場合もあるため、どのような資格が必要なのか求人票をしっかりと確認しておきましょう。
体力とボランティア経験も必要
高齢者に比べて年齢的にも若く体力もあるため、介護スタッフもある程度体力が必要です。また、障がい者施設の仕事は綺麗ごとばかりではありません。実際に働いてみたら考えていたのと違った、と思うこともひとつやふたつではなく、落ち込んだり続けていくのが難しいと感じることもあります。ですが、ボランティアの経験があればいろいろな人と関わることにさほど抵抗もありませんし、理想と現実の差に思い悩んでも前向きに切り替えていくことができます。